社名は今でもSTORYでよかったなとしみじみ感じます。
挨拶に伺っても、いい社名ですねとか、なんでつけたのですか?と聞かれると
嬉しいです。社名に興味をもってくださる方っていいなっって感じます。
前に書いた認知症の方のご家族には他にも物語がありました。実はその方のご主人はがんの末期で、私は認知症の奥様の方の訪問看護だけ行ってました。しかし、ご主人は他のSTから訪問看護を受けていましたが、奥様の訪問に伺うと痛みを訴えられて
とても不安そうで、緩和ケアが十分行き届いていない状況でした。そのたびに私は奥様の訪問で行っているんだからと痛みを訴えられた時には担当のSTに連絡を入れていました。
ある時そのご主人が、悲しそうな顔で「せつねえなあ~」とこぼしたのを聞き
思わず「なにか思い残すことはあるんですか?」と聞いてしまいました。ご主人は自分の病名も予後も知っていました。するとご主人は「(残される)○○(奥さん)のことが心配で。相続の事とか。」といいました。私は「看護師だから法的なことはできないけど、ちゃんと息子さんにそれ伝えるね。」といったところ「あ~安心した~」と本当にほっとした様子で、ご主人は言いました。自分の苦痛よりも残される奥様の事が何より気がかりだったんです。そして「若いときいろいろ苦労させちゃって。謝りたいんだ。」というので、奥様にそのことを伝え、ご主人は「先にいってもいいか?」と奥様に聞きました。奥様は明るく「いいよ!」といいご主人は苦笑いしながら「しょうがねえなあ」といいました。思わずわらっちゃいましたね。こんな別れもあるんだと。
そのことがあって、訪問看護は一利用者さんとの契約関係ですが、それだけじゃないって思いがあり。やっぱりそれまでの家族の物語、過去にいろいろあっても最後はまあいっか、まずまずな人生だったよなっとみんなが思ってほしいそんな思いで「物語」=STORYに社名をしました。それぞれにある人生のSTORYを大事に・・・・