意思決定支援から共有意思決定支援へ(Shared Decision Making)

ここのところ、お看とりが多く様々な療養上の意思決定に携わってきました。もちろん訪問看護では終末期にかかわらず、患者さんご家族の迷いや思いをどうかなえたらいいのか、年代関係なく考えさせられる場面に遭遇します。病院でよく聞く言葉に「意思決定支援」があります。在宅で感じるのは意思決定というよりは、やはり「思いの共有」だと思います。Shared Decision Makingは日本語訳で「共有意思決定」というと強くはっきりと決めるイメージですが、人生ってそんなに簡単に白黒はっきりつけられることではないと思います。がんの病名告知、余命告知にしてもそれぞれの家族の思いがあり、病院で行われるインフォームドコンセントや意思決定支援と違い、もっと泥臭く、迷ったり悩んだりはっきり決められなかったり、本人の意思が尊重されなかったりすることもあります。でもそれが家族の思いに沿った本人の思いだったりします。なんとなくでもいいのではないでしょうか。その都度人の思いは変わります。その時にどうしたいのか、後悔はないのか、できることはやったのか、そんな思いで在宅では思いを共有できるようお手伝いしています。その方、ご家族にとっては赤の他人の私を大事な場面で受け入れて下さることをいつも感謝しています。これからは医療者を守るためのインフォームドコンセントや意思決定支援ではなく、患者さんご家族の思いをかなえるShared Decision Makingへ。日本語訳の「決定支援」も何かほかの上手い言葉に置き換えられないか思案中です。

写真は新車です。