みたいな感じで、思い付きで訪問看護ステーションを立ち上げようと思いました。 実はその前に、自分でステーションの立ち上げ支援を企業と組んでやりたいと思って、とりあえず株式会社として登記していたのです。周りにいるNsでSTを立ち上げた人は、みなNs集めに苦労していていつも疲れた風で楽しそうに見えませんでした。なので、じぶんの貯金をはたいてまでそんな苦労はしたくないと思ってました。 ある時、訪問していた認知症の患者さんがご本人の意にそぐわない形で施設への入所が決まってしまいました。その方は入院中、胃ろうをつくってこられ経口摂取はまったくできませんでした。しかし、スタッフみんなで知恵を絞り、ご家族の協力、ご本人の食べたいという意欲があったため、リハビリをあきらめずにつづけ、口から食べることができるようになった方でした。食べられるようになったときはみんなで大喜びしましたね。「訪問介護と看護」の胃ろう特集に掲載されたので、ご興味のある方は読んでください。いつだったかな。 そんな矢先、入所の順番が回ってきたので、ご家族も悩んだあげく入所を決めてしまいました。その時のご本人がかなしそうな顔で「私は邪魔になったのね」といった言葉が忘れられません。ご家族にしても介護を精一杯やったという気持ちがないままに入所を決めたことで今後後悔の念を抱く事はわかりました。 私自身、スタッフととてもいいチームワークでいいケアが出来ていると思っていたところだったので、とてもショックでした。でも冷静になって考えてみると、なぜあの時に「うちでまだ見られるよ。大丈夫。私たちがついてるから。」といってあげられなかったのか。「もうちょっと頑張ろう」って家族にいってあげられなかったのか。 それにはわたしがその時に属していたSTの管理体制や自分の仕事に対する覚悟のなさがありました。 あまり詳しく書けないのですが、その時に自分で責任の持てる範囲で訪問看護をやりたい。思う存分おっせかいな看護したい、それにはどこかの組織に属していてはできない、と思い「そうだ、ステーションたちあげよう」なんてかんがえちゃったんですね。 実際、動き出してからもやはりあの時の思いが今でも根底にあります。それをどう形にするか。スタッフの方にちゃんとお給料を払い、やりがいをもって働いてもらたい。なおかつ自分のやりたい信念を持ち続ける。大変なことですが、ちょっとづつ手ごたえを感じています。