医療的ケア児の小学校就学問題

 

みなさん、医療的ケア児という言葉をご存知でしょうか?いま、日本の新生児医療は世界で最先端をいっています。以前なら助からなかった命が助かるようになり、人工呼吸器や気管切開、胃瘻など医療的な機器がついたお子さんがたくさん自宅で療養してます。重度心身障がい児という分類に当てはまる児童に対しては、国や自治体が支援してきました。しかし、その重度に分類されないけれども医療的ケアがある児童が幼稚園・保育園・地域の小学校に通おうと思うと大きな壁にぶつかります。

平成28年に児童福祉法が改正され、初めて医療を要する児(医療的ケア児)が法律の文章にのり、その支援に保健・医療・福祉の関係機関が体制整備に関する努力義務を規定し、大きく山が動いたように見えました。しかし、厚生労働省の資料をよく読むとどこにも文部科学省という文字は出てきません。「教育」は対象外です。山は形を変えただけでまったく動いていません。

医療的ケア児が本来、通学学区である小学校に入学したいと希望しても、なぜか障がいのあるお子さんだけは就学相談といって教育委員会の審査があります。確かに、文章にはあくまでも区外の都立特別支援学校への就学が望ましい程度にしか書いてありません。決めるのは本人家族に権利があります。しかし、現実には学区外の区内の小学校内にある特別支援学級(小学校内にある)に通学したくても、看護師はいるが医療処置は学校内ではできない決まりがあるため、行くことができません。

医療的ケア児は特別支援学校に通うことになっても、通学バスに乗れません。親が同乗することも、同乗して吸引などバスの中ですることはルール上できないことになっています。両親しか学校内に入ることもできません(祖父母はダメです)。また、人工呼吸器がついてるいるお子さんは親の付き添いは必須、経管栄養の注入も基本的には親です。つまり、医療的ケアがある児童は両親が通学手段を確保し、学校にいる間ずっと付き添わなくてはいけません。みなさんに考えていただきたいのは、人工呼吸器や気管切開などの医療的ケアのあるお子さんが区外の特別支援学校まで満員電車を乗り継いで毎日通ったり、親がずっとつきそわなくてはいけない現状は、医療的ケア児の教育を受ける権利は確保されているといえるのでしょうか。付き添うことができない親は泣く泣く、自宅で週に2,3回来てくれる訪問学級にしています。医療的ケア児の中には知的には問題ないおこさんや歩ける子もいます。医療的ケアの支援があれば地域の小学校で同じ学年の児童と一緒に学ぶことができます。

そこで私からの提案は、医療的ケア児は重度であっても、重度に分類されなくてもその子に適した教育環境を選択でき、その子専属の看護師・ヘルパーを付けられるようにしてはどうかと思うのです。つまり、学区内の小学校、学区外の特別支援学級、区外の特別支援学校どこでも行きたい学校にマイ看護師、マイヘルパーを付けて通学できるようにする。それには文科省が学校内での医療処置を認めること、両親以外の人が学校につき添えることを許可すること。障害福祉課で通学の手段を確保すること(介護タクシーの手配)、看護師ヘルパーの育成確保を行うこと、児の支援をしている訪問看護事業所が医療的ケアの指導を行うことなどを考えてみました。

教育の現場のルールを変えることは、首相や都知事レベルのお達しがないと自治体の教育委員会の人たちにはどうしようもできません。今あるルールで変えられそうなこと、できるだけ効率的に資源・お金を使うことを考えて編み出しました。予算を付けるのは障害福祉課になりますね。ですが、支援を必要としている児童の数は高齢者の数に比べたら本当にすくないはずです。

ちなみに次回の診療報酬改定で訪問看護事業所の「居宅」縛りをなくし「居宅等」とすれば、学校内にも看護師が行くことができるため、そこに期待があるようですが。事業所を運営するものとしては、今の訪問看護の診療報酬体系では一日に数時間しか確保できないし、区外の特別支援学校に行ってしまった場合、そこまで行く時間も確保することは難しいと思います。

新たな仕組みをつくることの方が継続性があると思います。IMG_5548

 

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丸田 恵子

管理者・看護師・保健師
介護支援専門員

1992年埼玉県立衛生短期大学卒業
病院勤務・訪問看護ステーション勤務 を経て
2012年日本赤十字看護大学学士取得
2014年聖路加看護大学(現・聖路加国際大学)修士課程在宅看護学専攻
上級実践(専門看護師)コース修了 看護学修士取得
2014年現職 株式会社STORY 代表取締役

ー 資格 -

看護師
保健師
ケアマネジャー
認知症ケア専門士

ー 学会・会員 -

日本訪問看護財団
東京訪問看護ステーション協議会
日本認知症ケア学会

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